耳のしくみ

耳が音を脳に伝えるまでには、大きくわけで外耳・中耳・内耳に分かれます。
外耳は上の図には書いてませんけど、耳たぶ(耳介)・外耳道(耳の穴)のことです。空気の振動を集めて鼓膜に伝える役目があります。
中耳は鼓膜・耳小骨が含まれます。鼓膜は空気の振動を膜の振動に変換します。その振動を耳小骨が20倍に増幅して内耳に伝えます。耳小骨はつち骨・きぬた骨・あぶみ骨の3つから成っていますが、これらは人間の中で一番小さい骨です。つち骨は鼓膜にくっついています。
ベートーベンの難聴は、この耳小骨が動かなくなることによって起こっていたので、固いものを歯に加えてピアノに押し当てることで内耳に振動を伝えて音を感じることができていました。こういうのを骨伝導といいます。
内耳には渦巻き状の蝸牛があります。蝸牛の中はリンパ液で満たされていて、基底板という板が延びています。そこに有毛細胞が並んでいます。耳小骨から伝わった振動がこの基底板に伝わるのですが、このとき高い音は蝸牛の入り口側の部分を振動させ、低い音は蝸牛の奥側を振動させます。その振動で有毛細胞に電気が起きて、この電気が神経を伝って脳に伝えられます。このため、脳に伝わる時点で音はおおざっぱに周波数ごとに分解されています。


ということで、外耳が空気の振動を伝え、中耳が機械的な振動に変換・増幅して、内耳で周波数ごとに分解・電気信号に変換という感じになっています。
大音量の音楽に暴露されて有毛細胞が死んでしまうと、最後の電気変換ができなくなるので、難聴になるというわけです。
※この図や説明はかなりデフォルメしてるので、正確ではない部分があります。おおざっぱなものだと思ってください。