さて、「はずれの世界」にいるわけだが

「あたりの世界」では、中沢がロナウドのマークについていてヘディングに競り勝って1-0で前半を折り返しつつ、後半投入された高原がこけたりせず追加点とって、まあ、途中にロナウジーニョからのスルーパスロナウドがすんごいシュート決めたりするんだけど、そこは最後に投入された柳沢が、いきなりボールがやってきたにもかかわらずちゃんとシュートを決めれる「やればできるこ」になってて3-1で試合終了、決勝トーナメント進出を決めて歓喜にわいてるわけだ。
ぼくたちにとっては、もうワールドカップは遠いドイツでのできごとになってしまっているのに、「あたりの世界」では連日決勝トーナメント対策にあけくれているのだな。


ありえない。


「当たりの世界」なんかありえない。
だって、「このぼく」がワールドカップなんかどうでもよくなっているのに、「向こうのぼく」は6月26日にわくわくしながらテレビをみる。
そんなの悔しいじゃないか。
「このぼく」が楽しんでいないのに、「向こうのぼく」が楽しんでるのは、なんだかシャクだ。
ということで、起こりうることはすべて起こる「多世界」なんてないことに決めました。
シュレティンガーの言うとおり、統合された精神が、唯一の世界を結晶化させているのです。
その結果、柳沢はいきなりボールが来たのでとまどってしまうのです。