続・書名に「JavaScript」とつけることの危険性。とてもいい本なのに

ヴェデット エクストラ ホワイト

昨日の話の続き
http://d.hatena.ne.jp/nowokay/20080928


今日、本屋さんにいったけど件の本はなくて、id:kiwanamiの人のところに遊びに行ったらあったので、読ませてもらった。
整列やグラフ理論といったアルゴリズムの基礎から、データマイニングPageRankみたいなことまで書いてあって、非常に充実した本。
これで3900円は安いと思う。少なくとも、高すぎるということはない。コストパフォーマンスは良い本。


ただし、基本的にJavaScript的な文法でサンプルコードが書いてあるけど

for (All i ∈ L ){
  var a ← i;
  if (i が条件に あてはまるとき){
    ・・・
  }
}

のような記述があって、これは擬似コードなので、「JavaScriptによる」という冠は不適切だと言わざるをえない。


内容としては入門レベルではなく、ガチのアルゴリズム本で数式も多用されているので、「JavaScript」につられて非プログラマが手にしてしまったら、意味がわかんないかもしれない。
ついているコメントを見ると、この本のターゲットの人によるものだとは思えない。
アルゴリズムの本なので「オブジェクト系の感覚」というわけでもないし、「なにしろ価格が高すぎる」というような価格ではなく、内容の広さを考えればむしろ安い。


タイトルによって損をしたことは間違いないと言える本。

JavaScriptによるアルゴリズムデザイン―オブジェクト指向からDB・Web・マイニングまで

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