あの火事から2年 - 漂流開発者の日記(WEB+DB PRESS VOL.22, 2004-8-17)

2004年のWEB+DB PRESS VOL.22に掲載された記事です。絵もかいてます。
火事はその2年前、2002年ですね。

暑いですね

夏です。暑いですね。
夜、暑くて眠れないこともあります。
それはそうと、暑くて眠れないといえば、2年前の夏の火事を思い出します。
どうしてそうつながるかは、まぁ、続きを読んでもらうことにして。

おっちゃんとの出会い

話はさらにその前の冬、2001年12月3日にさかのぼります。 夕方、出かけようと思って外に出たら、おっちゃんに呼び止められました。同じアパートのおっちゃんで、後ろの駐車場&田んぼを指差して「ここにマンション建つんやけど、そこで3ヵ月後店出すけん手伝ってくれんか?」と言われました。
仕事があるので、と断ると「あんた仕事しよったと?」と言われました。大きなお世話です。っていうか、マンションて3ヶ月で建つの?
次の日、12月4日のこと。
朝、部屋で作業してたら、外から変な声が聞こえます。外を見ると、昨日のおっちゃんが上半身はだかで、道のまん中に座り込んでいます。12月です。外は寒いです。
おっちゃんの周りには、ストーブやら自転車やら服やらがちらばってます。
周りにいる人が心配そうに声を掛けると「大丈夫やけん」といいながら腕立て伏せを始めました。ぜんぜん大丈夫じゃないね。
ぼくはそのまま出かけたので、その後どうなったか見てませんが、かなりあとで聞いた話によると、このことがきっかけで精神病院に入れられたらしいです。

どろぼう?

そしてその次の夏。まずは2002年8月3日。
部屋で作業してると、外で男の人と女の人の会話が聞こえました。 「出て来られたんですか?」と女の人。
「えぇ、月末、出てきました。」と男の人。
どうやらおっちゃん3日前に精神病院から出てきたらしい。 出てくんなよぉ、と思いながら作業を続けました。
そしてその4日後。8月7日。
その日は、遅くまで仕事してました。
で、家に帰ると、どの部屋にも明かりがついていません。 あれ?今日はみんないないのかな、と思いながら階段をあがると、なんかガラスがちらばってます。
2階まであがると、ぼくの部屋の扉がだぁーんと開いてます。「うわっ、どろぼう!」
見てみると、鍵がバールのようなものでこじ開けられてました。そんな強引などろぼうなら仕方ないね。
でも、なんにも盗られてないし、電器つかんし、部屋びちょびちょだし、なんか様子が変です。とりあえず、懐中電灯買おうと外にでました。ガラスが全部割られてます。

火事でした

階段降りると、おっちゃんの部屋のまわりに黄色いテープが。「POLICE KEEP OUT」
おっちゃんの部屋、真っ黒こげ。
さてはおっちゃん、暴れてガラス割りまくりつつ火つけてくたばったか?と思ったんですが、警察に電話すると、ただの火事だと。
次の日不動産やさんに聞くと、おっちゃん暑くて眠れなくてむしゃくしゃして火をつけたら、思いのほか燃え広がって、怖くなってイヌ連れて逃げた、と。放火じゃん。
引越し先は、燃えないこと、燃やす人がいないこと、を条件に決めました。
ぼくの部屋はススまみれ水びたしにはなっていましたが、大事なものは無事でした。
それでも火災保険が切れてたのは痛すぎ。
みなさん、ちゃんと確認しましょうね。