ITが面白い時代はすでに終わっているし変化も遅くなった

ITはもう面白くなくなってますね。
技術が面白いときには、いろいろ新しいものが出て性能あがったりできることが増えたりします。調べたらどんどん新しいものが出てくるし、新しいものもたくさん作るし、面白い。ですが、IT技術は一通り出そろって、成熟期に入っています。そうすると新しい技術に出会うことも新しいものを作ることも減っていきます。その結果、いままでの変化のあった状況を知っていれば、つまらんってなりますね。

※2024/8/24 追記 言いたいことをまとめると、IT素振りのネタ探しに苦労するようになったよねってことです。

結局のところITというのは新しいハードをどう動かして社会に実装していくかというものなので、新しいハードが出ないとどうしようもないのです。けれどもだいたい飽和してしまった。

雑にいえば、これまで1980年くらいにBASIC搭載8bitパソコンが普及するとBASICプログラミングが流行り、1990年くらいにパソコンが32bit化するとGUIシステムが使い物になるようになってWindowsやそのうえで動くソフトの開発が流行り、2000年くらいから常時接続インターネットが広まり始めたりiモードなどモバイルインターネットが可能になってネットワークサービスの開発が流行りブログや2chのような文字ベースのサービスが広まって、2005年くらいからマルチコアのプロセッサが広まると仮想化やらクラウドの流れが本格化してmixiのようなSNSが大規模化して、2010年くらいにスマホが広まって4Gでモバイル通信も速くなって動画サービスが当たり前になり、2017年のTikTokくらいでゴール、みたいな感じですね。

その流れから、使われる技術も対応して進化しつつ、プログラミング言語も2014年のSwift以降は広く使われるようなものは出てきていないし、実行基盤も同じ年に出てきたKubernetesで、だいたいの技術は出そろったという感じになっています。

ライブラリやツールも、欲しいものはだいたいすでにあるという状況。オープンソースにコミットしようにもすでに巨大になりすぎてさわれない。

さすがにメシの種がなくなったということで、VRとかブロックチェーンとか5Gとかに目をつけてWeb3として注目されたものの、そこまで流行らなかったですね。

サービス開発の裏で、いつの間にか超並列プロセッサになっていたGPUを使って科学計算しようぜーというのが2007年のCUDAで流行りだして、2011年にディープラーニングがいわれるようになって、見えないところで写真をきれいにしてくれたりラーメン次郎を識別してくれたりというのが発展しつつ、2022年にさっそうと現れたChatGPTによってAIバブルが発生し、つい先日はじけました。

ChatGPTは期待され初速こそ2ヵ月で1億ユーザーを獲得したと話題になりましたが、教育か開発で使われるサービスという感じに落ち着いて、日常生活を変えるかというとそこまで変わらない。
それを使って勉強なり開発なりした人が「新しいサービス」を作らないと世界が変わらない、GitHubに近い位置づけに思います。

もちろん、開発のやりかたとかへの影響は大きいとは思うのだけど、結局「じゃあそれでなにを作るの?」というところが面白くならなければ、「作業のやりかたの話ばかりになってつまらん」というのは変わらない気がする。

ちなみにAIまわりのオープンソースはちょっとさわるとすぐ治せるバグが見つかるし便利機能も実装しやすいのでコミットしやすく最後の楽園っぽさはありますが、それゆえ参加者が多すぎてすぐ食い尽くされそう。

あと、ITでお金を稼ぐには広告一択、にもなってますね。つまり、IT自体ではお金を稼ぐ能力が弱くて、物理サービスの売上を広告で助け、そこで稼がれたお金をもらって成り立つ業界です。

その結果で、面白いことといえば既存産業をITで強くするというDXのようなものが流行り、新しいサービスというのも車がやってきたり料理がやってきたりスキマ時間に働けたり、物理サービスをより最適化するような、どちらかというとITは裏方になったものが多くなってきてますね。

なので、新しいものが出て楽しいというのはもう終わって、IT自体を楽しまないといけない時代、もしくはビジネスを楽しまないといけない時代になっていると思います。

※追記 何人かやりとりして思ったのだけど、ITがようやく道具として使い物になってきたということなのかもな。