「煮る」と「茹でる」の違いなんだろうなーと調べたのでメモ。
結論としては、味をつけた汁に入れて加熱して、最終的にその汁も料理に含まれるのが「煮る」で、汁を捨てるのが「茹でる」。
インスタントラーメンで、お湯で茹でて粉スープを入れて食べるけど、茹でるときに使った状態ではなく粉スープが入ったものを使うので、やはり「茹でる」。茹でるときに粉スープを最初から入れる人もいると思うけど、香りが飛ぶので、正しい手順的には火を止めたあとで。なんなら別にお湯をわかして粉スープを溶かしたほうがいい気もする。
味のついたスープで火を通す前提のラーメンは「煮込みラーメン」になりますね。
そば湯のように、ゆで汁をあとで飲むこともあるけど、これは完全にオプション扱い。
ところで関西では煮ることを「炊く」というけど、これはどうなのかという話も出た。
日本国語大辞典で調べると、「炊く」は「たき火」や「線香をたく」にあるように元々は火をつけること。
それが15世紀ごろに加熱調理一般を指すようになってるという、割と新しい用法。「煮る」「茹でる」は8世紀には見られるので古くからある。
日本の言葉は、中央である京都でうまれて広がっていく。なので青森と宮崎に同じ方言があったりイントネーションが似てたりする。
ということで、「煮る」「茹でる」は古くからあって全国に伝わったけど、「炊く」は全国まで広まらず関西にとどまったのではないかと考えた。
その後、全国に広まったときには、米を煮ることを主に表す「炊く」になったんじゃないかと。
そこで、今度は「煮る」があるのに何で新たに「炊く」が出てきたんだという話になった。
初期の用例を見ると「ゆたかせて(湯を炊かせて)」「食(めし)焼(タク)宿ぞ」「鯛の子をたいておくれ」のように自分が調理しない感じなので、「具体的なことはようわからんが火を通して食えるようにする」というニュアンスだったのかも。
ちなみに日本国語大辞典はJapanKnowledgeで見てます。
https://japanknowledge.com/
1650円/月なのだけど、日本国語大辞典は16500円x14冊なので12年くらい払っても問題なしと思って課金している。しかしもう12年たちそうだ。