量子力学は他人事ではない。

ムーアの法則の通りに進むと、2015年には電子1個を扱う必要がでて、量子状態を制御しないといけなくなるという話。
量子コンピュータというのが、量子アルゴリズムが使えるコンピュータではなくて、量子力学を利用した論理コンピュータになるというということ。
そういう意味では、量子コンピュータが実現されることでのパラダイムシフトというのはない、ということではあるな。
量子力学は人間に何をもたらすのか


実際、入門量子コンピュータとかでも量子論理ゲートの実現方法ばっかりかかれてたりするし。
あ、この本、ディラックの式が炸裂なので、シュレティンガー方程式な何の役に立つのかわかんない人が実際の演習に使ってみるとステキかもしれません。ぼくとか、オレとか、わたしとか。
・・・あとで読む。


量子アルゴリズムが使えるコンピュータができたところで、量子アルゴリズムとしては素因数分解ができるアルゴリズムと検索ができるグローヴァーのアルゴリズムくらいしか見つかっていないので、実際のプログラム作業は変わりません。
素因数分解をすることは暗号処理分野以外の普通のシステム開発では必要ないし、検索が速くなっても、「このSQLは一瞬で終わります」程度だし、それに、量子状態をデータとして扱うには液体窒素冷却とか必要で普通の情報センターには置かれないし、なによりこのアルゴリズムは1件だけが必ずヒットするという条件で有効なアルゴリズムのようなので、あまり一般的ではないし。
論理コンピュータでユーザーインタフェイスやロジックを制御して、検索だけ量子アルゴリズムコンピュータということになります。


ということで、実際に量子コンピュータが実現したところで、開発作業に変化があるとは思いません。そういうところでのパラダイムシフトはないので、安心しましょう。
UI設計するために、液体窒素冷却&完全免震のコンピュータを一人一台あてがえるとは思えないし。


そういえば、読み返してみて思ったんだけど量子コンピュータへの誘(いざな)い きまぐれな量子でなぜ計算できるのかという本は量子コンピュータについて知りたいときには退屈すぎる本なんだけど、量子力学を一般教養として勉強するには結構いい本だと気づいた。
量子コンピュータについてを一般教養として知りたいときは量子コンピュータとは何かの方がいいな。ソフトウェアやさんが量子力学ってなに?って思ったときにもオススメかも。ティンカートイの話は、量子力学とかに興味がなくても面白いと思います。