ゲーデルからプログラマへのメッセージ

ゲーデル不完全性定理からわかることは、すべてのプログラムの正しさを判定できるようなプログラムは存在しないということでした。
また、コンピュータが発展したとしても、すべての問題を解決するプログラムを組むことはできないということもわかりました。
プログラムの自動生成が熟成するとプログラマの仕事がなくなってしまうと考えられていることもありましたが、そんなことはありえません。
いつまでもプログラマの仕事はあります。


それでも、ある程度の枠組みが完成すれば、残っているのは退屈なプログラムだけになっていると考えるかもしれません。
「新しいプログラム」というものはなくなるのではないかと心配になるかもしれません。
でも、ゲーデル不完全性定理が数学を終わらせたわけではなく、新しい数学の始まりになったように、現在開発されている技術が完成すれば、新しい技術の始まりになります。
つまりは、いつの時代でも「新しいもの」はあるということです。


ゲーデル不完全性定理は、技術が完成することはないと言っているわけではありません。ゲーデル不完全性定理が言っていることは、固定した技術ではすべてをまかなえず、常に新しい技術を追い求めないといけないということです。
プログラマは、常に新しいものを追い求めないといけないし、その余地は常にあるということです。
ゲーデル不完全性定理は、プログラマにとって、「新しいもの」が尽きる不安を感じる必要などなく、安心して「新しいもの」を追い求めればいいというメッセージです。