ユメのある科学とユメのない科学

ちょっと前に、初心者でまだプログラムが書けない人が、あてずっぽうで「その書き方で期待通り動いたら、世の中変わるね」というコードを書くことがあるって書いたんだけど、科学をよく知らない人が「その理論が実現するなら世の中が変わっちゃうユメのある理論」を提唱して世界を変えちゃうことはよくある話ですね。
エセコードではコンピュータは動かないけど、エセ科学で人間は動いちゃう。


逆に、ユメのない科学ってのもあるんですよね。
たとえば「世界を30秒で変えちゃう新聞」とか見ると、10年後はえらいことになってたりするわけですよ。いや、納得できる話も多いんですけど。近くで採れたものを食べようっていうフードマイレージとか。
このエントリ自体、このユメのない10年後の新聞の呼びかけ人のひとりが、とてもユメのある人だっていうのを読んだから。なので、この新聞のユメのないところのツッコミはこっちを見てください。
NATROMの日記:トンデモに効くクスリ


まあ、ユメのあるほうの科学は、自分でちゃんと見破ればだいたい無害。マイナスイオンとかは、単なる宣伝材料なので、割と無害。水の話も、教育の現場にもちこまなければ、割と無害。
水生成機を買っちゃったり、超能力養成所に子供を預けちゃったりするのも、ちゃんと事前に調べておけば防げる。
エセ科学「水からの伝言」への注意を喚起する: 松浦晋也のL/D
七田眞『赤ちゃんはみんな天才』


でも、ユメのない科学ってのは、割と信じやすい上に、実害も多い。
一番問題なのは、だまされてない人も不利益をこうむるってこと。例えば、ダイオキシンみたいなそれほど害がないもののためにゴミ捨てが不便になったり、税金で高い金かけて焼却炉を作り変えたりする。
塩化ビニールが有害ってことになって、こんな便利で良い素材が使えないというのは不便だし環境にも悪いし、安全性も問題。
塩ビで電気コードを作っておけば発生しなかった電化製品火災があるとか、どっかで見た。
塩ビの火災時の安全性
ダイオキシンフタル酸エステルが、塩ビの有害性の2本柱みたいなんですけど、両方問題なさそう。
塩ビを取巻く状況について(PDF)
っていうか、「またグリーンピースか」という感じですよ。
http://www.greenpeace.or.jp/library/98dio/bg1.html(greenpeace)
http://www.sopia.or.jp/kotoku/


あ、あと、My箸は、個人的にはやめたほうがいいと思うんですよ。手洗いで1膳2膳の箸だけを洗うのって、ものすごく水を使うんですよね。出先で使用前後に洗うと、かなりの量。こっちの方が問題。
家で他の洗い物のついでに洗ったり、飲食店でまとめて洗うならいいんですけど。
「世界を30秒で〜」にも書いてあるんですけど、竹箸や間伐材の箸が結構多いので、そのまま割り箸を使う方がいいんじゃないかと思います。中国製の割り箸も、おそらく減っていくだろうし。