ソニーデジタルペーパーを買った。これはいいものだー

発表されたときから興味があって、その値段のせいで買うのを躊躇していたソニーデジタルペーパー、なんかレビューみてたら一瞬気を失っていて、その間に注文してしまっていたようです。


ひとこと。これはいいものだー。

ソニー デジタルペーパー DPT-S1

ソニー デジタルペーパー DPT-S1

表示

大きいことはいいことだ。

パタヘネやWEB+DB PRESSが実物以上の大きさで表示できるのは、とてもいいです。これで、アルゴリズムデザインみたいなでかい本を裁断する気になります。
ブラウザ機能もあって、文字の多いサイトを読むのにもいい感じ。
通常の大きさの本だと見開きで表示できるサイズなのですが、見開き表示のモードがないのが本当に残念。
4枚表示でも読めるのですけど、横向きで2枚表示が欲しい。

ただ、電子書籍を読んだりネットをブラウズしたりをメインの機能と考えて買わないほうがいいと思います。

書き味

期待どおりです。普通にメモ書きをしたり落書きをする分には不満はないです。
あまり速く書くととりこぼしがあります。お絵かきで斜線をシャッシャっと書くと、途中で取りこぼすこともあります。また、イラストで目を細かく書き込むときみたいに精度が問題になるところは難しいです。
消しゴムやアンドゥーはレスポンスが悪いので、書いたり消したりを頻繁にやるというのは難しいです。とくにアンドゥーは、一定時間に書き込まれてまとめてベジェ化された単位での取り消しになるので、結構な範囲が消えてしまいます。
一番上が5ミリくらい認識がおかしいところがあって、ここは使い物になりません。もしかしたら個体差かもしれないですけど。
とはいえ、普通に使うにはあまり気にならないです。


ツールバーが左側に表示される*1ので、右利きのぼくにとっては使いやすいのだけど、左利きの人にはつらいかもしれません。これ選択できたほうがいいよなー。

定型フォーム

この使い方がソニーデジタルペーパーの真骨頂だと思います。定型フォームのPDFを作って表示させて、つねに横に置いておいて必要に応じて書き込む。

なので、いかにいい感じのフォームを作れるかが大事です。
Excelなんかで適当に罫線をひいてPDFを作るといいと思います。もちろん普通の紙でもいいのだけど、フォームを作る試行錯誤がまず大変なのと、まとめて印刷しておくにしろ都度印刷するにしろめんどくささがあるので、デジタルはありがたいです。保管もPDFファイルなので場所を考えなくていいしあとからスキャンして取り込むような手間もありません。
ぼくは時間が不規則なので、24時間の予定が欲しかったのと、たまに体調が悪いことがあってその状態を書き込めるように人体の図を貼り付けてます。


ノートのテンプレートとして設定できるので、あらかじめ必要なページ数のファイルを作っておく必要もありません。テンプレートを切り替えても、ノート作成時のテンプレートが引き継がれるようです。


こういうのは、常にスタンバイされていて見たいときに見れる、書きたいときに書き込める、というのが大事です。液晶タブレットを常時表示するというのは電池が厳しく目にもやさしくないです。電子ペーパーなので、そのまま表示させっぱなしにできます。

原稿チェック

雑誌や書籍の原稿チェックに威力を発揮しそうです。編集さん各位には会社から支給されてもいいんではないかと思います。

いままで組版されたゲラをPDFでいただいたあとは、やはり印刷して紙でチェックしてペンでいろいろ書き込んだりしていたのですが、これがそのままデジタルでいけそうです。
きっと捗る!

落書き

落書きをする点では、紙を探したり、紙をひろげる場所を確保したり、書いた絵を保管したりといったことを考えなくていいので捗ります。

ただ、下書きができないのと、細かい書き込みは難しいのとで、本格的なお絵かきには難しいです。
落書きだけならSurface Proなんかのほうがいいでしょう。

保存

書き込んだ内容は、そのままPDFになります。なので、見る分には何も問題ないですが、編集したくなるのでAcrobatのスタンダードなどのPDF編集ツールが欲しいところ。
ちょうど、ちょっと割高なAcrobatとしてScanSnapを買ったところなので*2役に立ってます。
保存操作はありません。書けば自動的に保存される形です。一度、ページがそのまま消えていることがありました。書き込んですぐUSBケーブルを刺したところで、ベジェ化されるときの微妙なタイミングがまずかったのかもしれません。ファームアップデート前だったので、すでに改善されてるかも。

セキュリティ

案外、個人情報や業務情報が満載になっていくと思います。落としたときなどのためにパスワードは設定しておきたいところ。ちょっと不便にはなりますが。

スタンバイまでの時間が長いので、通常使ってる分にはあまり気にならないです。スタンバイ時間が設定できればもっとよかったのだけど。
このパスワードで、PDFを暗号化することもできます。
あと、PCにつないだときも、パスワードが通らなければ認識されないので、PC接続が抜け穴になることもないです。SDカードには電子書籍、ノートは内蔵メモリのようにするのがいいと思います。

電池

電子ペーパーなので、すげー持ちます。
データ転送でUSBを接続したときに充電される分で十分なので、普通に使ってれば電池が気になることはないと思います。
Wifiで同期とかしてるとわからないけど。

まとめ

これはいいものだー。
A4という大きさ、書き味、重さ、電池の持ちがすべて揃って意味があるデバイスなので、電子ペーパーであることが重要です。
プロジェクタにつなげれば*3とか、カラーが表示できればとか、そういう便利な機能が必要な場合はだいたい大きさ・重さ・電池の持ちが必要なかったりするので、タブレットで十分でしょう。


今までになかったもの、他にないものという点で、10万円の価値がありました。例えばMacBookを10万円で買っても、すでにノートパソコンを持ってるぼくにとって生活や仕事にあたえるインパクトはそこまでないと思います。
ただ、同様に10万円の価値が見出せる人は多くないと思います。もし5万円ならみんな買うべきです。
しかしそれでも、これはいいものだー、といいたい。

おまけ

トラックボールは、ケンジントンのSlimBladeです。これもいいものだー


あと、イクラは新宿のハンズに売ってました。

末武 食品サンプルストラップ ミニ寿司イクラ

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*1:アンドゥー機能と共にファームアップデートが必要です

*2:本体は箱から出してない

*3:追記2015/9/17 ファームアップデートでPCに表示できるようになりました