情報系の技術者に一冊だけ読んでもらうならこの本

さて、いろんな本を取り上げたのだけど、かなり広い範囲を取り上げたので、それぞれそれなりに高い本だし、読む時間もないし、そもそもどこから手をつけていいやら、とか思った人も多いんじゃないだろうか。
今回取り上げたような内容を、1冊にまとめたような本はないだろうか。
しかし、そんな都合のよい本は存在するのか。


と思ったら、あった。いい本が。
しかも、ちゃんと勉強できたかどうか判定できるし、勉強した証を発行してもらえる。そして、その証で職につきやすくなるかもしれない。


ということで、情報系の技術者が一冊読むならこの本。


なんだ麻奈タンかよ、とか、やさしいシリーズか!とか思うかもしれないけど、あなどってはいけない。
この本は、麻奈タンひとりで書いた本ではないのだ。*1
もちろん、著者は高橋麻奈ひとりだけども。取り上げる内容を国のお金でいろいろなえらい人が吟味し、理解するべき内容のテストを作り、そのテストに合格することをゴールに書かれている。そういう、いろいろな人が関わっている本だと考えるといいと思う。
いわば、テストファーストで書かれた本だ。インストラクショナルデザインという考え方からも、先に理解すべき内容のテストを作ってからテキストを書くというのはよいことだと言われてる。


高橋麻奈という人は、あるテーマについて解説するとき、そのテーマの捉え方はあまりうまくないと思う。既存の解説書に書いてあることを、よりよく解説しただけとも言える。その代わり、解説自体はとてもよい。
この本では、テーマの捉え方や取り上げるべき内容は、国の金で賢い人たちが提示しているのだから、解説の能力を発揮すればいいだけになっている。そんなわけで、この本はいい本になっている。


もちろん、これまでに「やさしいxxx」で痛い目にあって、別の本にしたい人は、応用情報技術者の試験対策本を探せばいいと思う。
けど他の本は、試験範囲の用語の羅列であったり、練習問題と解答であったり、単なる試験合格だけを狙った本ばっかりしか見当たらなかった。応用情報技術者という試験区分が今年4月からというのもあるかもしれないけど。
この本は今のところ、内容を理解させようという唯一の応用情報技術者の本かもしれない。


もし応用情報技術者で難しければ、基本情報技術者の勉強をすればいいと思う。
じつは参考書もってたりする人もいると思うし。


ということで、若干消去法的でもあるけど、広い範囲の概要をつかむのにこの本はおすすめ。
ついでにうっかり資格とってしまえばいいと思う。

*1:dankogai風になってしまった