教えるということ - 漂流開発者の日記(WEB+DB PRESS VOL.20, 2004-3-26)

2004年のWEB+DB PRESS VOL.20に掲載された記事です。絵もかいてます。

開発してない

開発者の日記といいながら、最近とんと開発してないことに気付きました。
じゃあ何してるかというと、絵を描いたり、プログラムを教えたりしてます。
教えるのも楽しいんですけど、開発してないと、実際のプログラムの話がしにくくなるんですよね。
教えるときに絵がうまく描けると評判がいいですけど。

あの人が先生?

教えるときにスーツを着てないこともあって、「え、あの人が先生?」と言われることがよくあります。髪の色がすごいことなってることも多いですからね。
最初は話の調子も悪いですし。
もちろん、いきなり言われるんじゃなくて、全部の過程が終わったあとの飲み会とかで「実は最初はどうなるかと思った」という話を聞くわけですね。まぁ、最終的にそういう話ができるようになっているので、ヨシとしましょう。
それより、苦手なのは「先生」と呼ばれることです。いまでこそ慣れましたけど、最初は講義中にそう呼ばれるのもなんだかくすぐったいものがありました。
すでにかなり前に教える期間が終わった人たちから「先生」と呼ばれるのは、いまだに慣れませんね。年上の人が多いのに。「先生」で馴染んでるのでしかたないと思いますけど。
飲み屋の店員さんに「あの人が先生?」と思われてそうで、それが一番こっぱずかしいです。

はじめてのプログラム

ぼくが教えてる人たちは、プログラムの勉強が初めてのことが多いです。
で、そんな人たちにJavaを教えるのですが、最初はコマンドプロンプトからjavacコマンドでコンパイルしてjavaコマンドで実行、ということをやってもらってたわけです。エディタでプログラムを入力してもらって。
ところがあるとき受講生の人数が多くて、コマンドプロンプトじゃやってられなくなってForteというツールを使うことにしました。今はSun Java Studioっていう名前になってて、NetBeansというオープンソース版も出てるツールです。
最初だけはやっぱりコマンドプロンプトHello worldプログラムをやってもらって、それからForteを使って、ウィンドウ上のボタンを押したらメッセージを出すプログラムを作ってもらうようにしました。
そしたら受講生のひとりが、ウィンドウ出すプログラムが動いたときに「あ、プログラムが作れた気がする」って言うんですよ。「えっ」と思いましたね。だってHello worldの時点で一応プログラム作ってるわけですから。

やっぱりWindowsからパソコンをさわった人にとっては、プログラムっていうのはウィンドウが出てナンボということを実感しました。
それ以来、サンプルプログラムは動きを見て何をしてるものかがわかるようにしています。
なんにしても、そうやってプログラム初体験だった人たちが、ソフトウェア関係の仕事に就いたという話を聞くと、うれしくなります。仕事じゃないにしても、プログラムを作ってみた、という話を聞くのもうれしいですね。
もっとプログラムの楽しさを伝えれるようになりたいものです。