不確定性原理

不確定性原理は、量子の場所とエネルギーを同時に正確に測定できないという、測定の限界を表した原理だととらえられがちですが、それだけではなくて、素粒子のふるまいを決定するような原理です。
つまり、量子の場所を固定しようとすると、不確定性原理にみあうだけのエネルギーが発生するんです。
これが、細いスリットを通る光が拡散したり、床が靴を押し返す力になります。


光が細いスリットを通るとき、そのスリットに光があることが確定します。すると、場所を確定されることを嫌う光子が、不確定性原理から借りてきた力を使って拡散するわけです。
また、床と靴の例、床と靴がぶつかって押し返されるのは当たり前と感じるかもしれませんが、実際には原子と原子の間には、たとえば地球から原子のすきまをとりのぞくとりんごの大きさになるというくらい、非常にひろいすきまが空いています。そうすると、単に原子同士が衝突するときの力だけをあてにしていると、靴は床をつきぬけてしまいます。
靴の原子が床の原子を押して床の原子が集められると、床の原子の場所が確定してしまうので、不確定性原理から借りてきた力で靴の原子を押し返すのです。
この靴と床の例はファインマンさんがファインマン物理学〈5〉量子力学に書いてるものです。


また、不確定性原理は、小さい世界に限らず、粒子性より波動性が強くなったときに現れる原理で、例えば海の波も、位置と速さを同時に高い精度で測定することはできません。
ようするに、モノ的であるかナミ的であるかが問題で、ぼくはソフトウェア開発をナミ的なものだと思っているので、不確定性原理をあてはめて考えてるわけです。さらに、そのナミは複素数的な重ね合わせを持ったナミだと思っているので、なるべく見ないようにして重ね合わせを壊さないようにしましょうと思ったりするわけです。