人間関係をリアルとバーチャルに区別する意味はあるだろうか

今日ちらっと、「ソーシャルとはリアルの人間関係のことである(キリッ」っていう文章みて、こいつバカじゃねーのって思わなかったことにしておくけど、そういう文章をみたんだ。


それで思った。じゃあリアルの人間関係ってなんだ?
この対比で言う場合に、バーチャルのほうはわかりやすい。一度も実際に会ったことがない人との関係。でも、じゃあリアルって?
3年くらいはてなTwitterでお互いを認識して、一度だけ同じ飲み会に参加して5分くらい話をした人とは、リアルの人間関係?


メールで仕事をもらって、一度も電話することもなく声を聞くこともなく、メールとチャットで打ち合わせをして、納品して請求書送ってお金を支払ってもらった人は、リアル?バーチャル?
お金がリアルだから仕事はリアルだろって?じゃあ仕事の前の打ち合わせだけで仕事が流れたら?Twitterで、なんとなく仕事もらえねーかなーと思いながらつながってるのはリアル?
支払いぶっちぎられたらバーチャル?いやそれはリアルな詐欺だ。


その人のための作業をしたらリアル?そうすると、Twitterでプログラムで困ってる人がいて、「このコードで動くんじゃね?」って見せたらリアル?んで、「それじゃねーよ!」ってつっぱねられたらバーチャル?お金が大事?じゃあ「金くれ」みたいなサービスに100円投げ銭したら?


そもそも、リアルに会うってなに?新宿駅の改札なんかで一日中つったってれば、フォロワーの何十人かとすれ違う気がするんだけど、その人たちとはリアルの関係になるの?リアルってすれ違い通信なの?
気がつかないとだめ?じゃあ、大人数の飲み会で、なんかよくわかんない人と話が盛り上がって、まーあれだれだったんだろうねーと思って帰ってTwitterみて、あーあのときしゃべってたのこの人か!って気づいたら、それはバーチャルのまま?


よくできたロボットがあって、実際に会ってると思ったら遠隔操作だったとしたら、リアル?バーチャル?気づくまではリアル?気づいたらバーチャル?じつは等身大にうつるディスプレイだったら?


結局のところ、人間関係をリアルとバーチャルにわけるのはまったく意味がない。
そもそも、目の前にいる人がリアルなのかバーチャルなのかも判定できない。目の前の人が夢のなかの人物だったり妄想だったりしても、それは判断できない。人が実在するなんて証明はできない。でも、それが夢だったとしても、そこに関係が設定されていれば、その人とはそういう関係だった、ということは事実になる。
存在すると言えるのは、「関係」だけだ。
たとえば宇宙一のお宝を探している5人組がいたとして、これは架空の人たちだから存在しないわけだけど、この人たちが「5人で宇宙一のお宝を探している」という関係は存在している。


人間関係をリアルとバーチャルに区別することはできない。
出会う空間はバーチャルになりえるけども、関係はバーチャルになりえない。人物がリアルであれバーチャルであれ、すべての関係はリアルだ。