夜のモフさん

コンビニに行こうと思ったら、黒ネコのモフさんが。
ぼくの少し前を歩いて、たまに振り返って「ニャー?」って聞くから「にゃー」って答える。
そういうのを3回くらい繰り返して、隣のアパートの駐輪場でモフさんがゴロンとする。それをなでる。


何か気に入らなかったのか、モフさんはすぐに立ち上がって歩き出す。振り返って「ニャ」というから、「にゃ」と答えてついていく。
ついて歩くと、看板の隙間をとおって駐車場に入っていく。ぼくはそこを通れないから、その隙間からモフさんを見てると、こちらを見て「ニャ」という。しかたないなーと思いつつ、看板をまわりこんでモフさんのところに行く。


モフさんはそこでゴロンとして、今度はしばらくなでる。そうしてると、いきなり立ち上がって、歩き出す。振り返らずに隣の車の下にもぐっていく。
満足したぽい(もしくは、ぼくが満足したと思われたっぽい)ので、そのままコンビニにいく。


コンビニから戻ると、やはりモフさんが歩いている。けれども、そのまま壁の向こうに行ってしまう。
モフさんは立ち止まって、壁ごしにこちらを見る。「ニャ」と聞くので、「にゃ」と答える。もういちど「ニャ」と聞くので、もういちど「にゃ」と答える。
なにか納得したふうに歩き出して、黒い姿はすぐに見えなくなる。
ぼくも部屋にもどる。


という、涼しい夜。