APIといえばWeb APIになった現在、ローカルAPIは専らライブラリと呼ばれる説

APIというとWeb APIのことを指すようになってしばらくたちますが、こういう場合WebじゃないほうのAPIを指すレトロニムができるはずなんですよね。

例えばこのエントリのタイトルではローカルAPIという言葉を使ったけど、埋め込みAPI、組み込みAPIという言い方も可能な気はして、そしてどれもしっくり来ない。シェアドライブラリを考えると埋め込みAPI / 組み込みAPIというのは不適切でローカルAPIが適切な気がするけど、違和感が大きい。

元々でいうと、アプリケーションプログラマがなんらかミドルウェアなどを使うための入り口というのはAPIで、SQLAPIのひとつだったりした。
C.J.DateとCodd博士の「The relational and network approaches: Comparison of the application programming interfaces」ではSQLの前身であるDSLとネットワークデータベースでのデータ操作をAPIとして比較している。 https://dl.acm.org/doi/10.1145/800297.811532

Joshua Blochはこの「APIの歴史」というプレゼンで、「CLIAPIか?」という話をしていて面白い。
https://www.infoq.com/presentations/history-api/

まあもちろん、いまはエントリポイントと引数が定義されて呼び出し可能なソフトウェアパーツをAPIとよぶわけだけども。(しかしそうするとCLIAPIになるな?)

で、考えてみると、ローカルなAPIは「ライブラリ」ということが多くなっていて、Web APIを指すようになった「API」とすみ分けがされた結果(追い出されたとも言う)、ローカルAPIを指すための特別なprefixが定着していないという説。

12/31追記 あと、当然Web APIと縁がなく今までAPIと呼んでたものをそのままAPIと呼んでるところではネームスペース衝突が起きないので、レトロニムが発生しないということか。