新しい法則をつくろう

だれも言ってないような新しい法則をつくりましょう。


みなさんアルファブロガになりたいですよね、そうですね。
ブログのアクセス数を伸ばす近道は、すでにある法則の説明やまとめを書くことです。「あの有名だけど難しそうな相対性理論をわかりやすく説明するよ!」とかだと、100ブクマは固い。これでどんどん購読者がのばせます。
とはいえ、だれかが言ってたことの書き下しやまとめばかりだと、なんだかさびしいものです。やはり「わたしが考えました」というネタが欲しくなります。
しかし研究者でもなければ新しい法則などそうそう転がっているものではありません。
こんなことを言うと、「やはりアルファブロガーの道は遠いのか」と落胆してしまうかもしれませんが、ここで希望を捨ててはいけません。


法則がなければ作ればいいのです。


新しい法則を作るなどというと難しく感じます。
数学や物理を勉強したり、いろんな実験の必要があるというのでは、いくらアルファブロガーになるためとはいえちょっと大変すぎてくじけてしまいます。
ここでは、そんな勉強や実験が必要なく、だれでも手軽に新しい法則を作り出すことができる方法を紹介します。


まず簡単なのは、因果関係を逆にしてみることです。なにかの現象Aが原因となって現象Bが起きるとき、これを逆転して、ある現象Bが原因となってなにかの現象Aが起きるというようにします。
たとえば、プロジェクトがうまくいっているとメンバにゆとりがあって人間関係がうまくいきます。逆にプロジェクトがうまくいかなくなるとメンバの人間関係がギスギスしてきます。この因果関係を逆にして、人間関係をうまくしておくとプロジェクトがうまくいく法則というのを作ることができます。
ただし、人間がからむようなフィードバックのある系では、因果関係を逆にしたとしてもそれはそれで成り立つことも多くあります。例えば、人間はうれしくなると笑顔になりますが、逆に笑顔を作るとうれしくなる、という効果も実際にあるわけです。先ほどの例に出した、人間関係をうまくしておくとプロジェクトがうまくいくというのも、ある程度はそういうこともあるようです。
新しく作った法則が正しい法則であることは、これはこれで喜ばしいことなのですが、ひとつ問題があります。自分で新しく作りだしたつもりが実際には定番の法則になっている可能性があります。そうすると知らぬは己ばかりということで「おめーなにいまごろ得意そうにいってんの?」となってしまう危険性があります。
これでは、アルファブロガーの道は遠くなってしまいます。


そこでお勧めなのが、相関関係を因果関係にしてみる、という方法です。とくに手軽なのが、同じ原因によるふたつの現象を結び付けてみるというものです。この方法を使うと、新しく作った法則が正しくて実際に広く知られているということも少ないので、オリジナリティを高めることができます。
前回のエントリ「酔って記憶がなくなると足をケガしてる」でもこの方法を使っています。ここでは、酔っ払うと記憶がなくなる、酔っ払うとケガをする、という2つの現象を結びつけて、ケガをすると記憶がなくなるという新しい法則を作り出しました。
ただしここで、新しい法則が「ぼくの記憶がなくなる理由」のように世間から注目されないしょうもないことだと、ブクマもつきません。そこで、新しく作る法則で説明する現象は、世間からの注目度の高いものにするといいと思います。


例えば、最近関心の高い話題のひとつに少子化があります。先日、出生率が1.37となって三年連続上昇というニュースがありました。ただ、そのとき、東京の出生率は1.0強とかなり低い数字だったということも取り上げられていました。今回はこの数字を使って、出生率を低くする原因となる法則を作り出しましょう。
東京だから出生率が低い、という現象をとりあげたので、もうひとつ、東京だからこその現象を考えてみます。東京といえば満員電車というのがありますね。ここから、満員電車が出生率を下げるという法則を作り出すことができます。ここで理由を考えないといけないのですが、「満員電車でおねえさんに囲まれて満足したため、子作りする気がなくなる」などとすると、社会的によろしくない感じなので、満員電車とは別のもう少し説明しやすい現象を探して理由にしましょう。
東京といって他に思いつくのは高層ビルの多さです。では、高層ビルが多いと出生率が下がるという法則にするとして、理由を考えてブログエントリにしてみましょう。

先日、出生率が1.37にあがったという報道があったが、東京では依然1.09と低い。これは東京には高層建築が多く、覗かれている感があり安心して夫婦の営みが行えないためではないかと考えられる。
そういえば、出生率が高いと報告されているようなところでは、田舎で高層建築が少ない地域であることが多い。
高層建築の制限が、出生率の向上につながるのではないだろうか。


なんだか斬新な法則ができましたよ!
ただし、都道府県別出生率のワースト2位は北海道であり、むしろ広々としているので、今回の法則の反論になってしまいそうです。実際にブログに書くときにはこのような穴があってはいけません。もう少し慎重に法則を作り出す必要があると思います。


法則の作り方としては他にも、因果関係のある法則の連続で途中の現象を飛ばすというのもありますね。風が吹けば桶屋が儲かるメソッドです。ただ、これは普通にやってしまうと普通の法則になってしまうので、なるべく関係ない現象の連続を使うようにするといいと思います。
まあ、これは健全な男子ならおそらくやったことがあるんじゃないかと思います。
「ミクさんはぼくが通りかかるとこちらを見るから、ぼくのことが好きの法則」
とか。実際には通りかかった風圧で本がめくれてるからそっちを見てるだけなのにね。ということに心当たりある人も多いのではないでしょうか。


とまあ、今回あげた、因果関係の逆転・相関関係の因果関係化・そして風が吹けば桶屋が儲かるメソッドによってさまざまな新しい法則を作り出すことが可能です。
みなさんも、誰もが驚くような新しい法則を作り上げて、アルファブロガーを目指しましょう。